ロゴは企業の顔として最も記憶に残る、重要な要素の1つです。
ロゴを変えるということは、企業にとっても一大決心ですが有名企業のロゴも時代とともに変化をしています。
今回は『Logo Evolution of 27 Famous Brands』よりブランドロゴの進化についての記事になります。
amazon
ネットショッピングでおなじみのアマゾン。
2000年に制定された現在のロゴは矢印が「a」から「z」に伸びており、アマゾンには、「A」から「Z」、つまり全ての商品が揃っている事を意味していると同時に「顧客の満足を表す笑顔」が表現されています。
Apple
スティーブ・ジョブズからロゴ制作を依頼されたときの指示は「可愛いロゴにしないでくれ」のみで、一切のデザインを任されたそうです。
アダムとイブ説や「bite(かじる)=「byte(バイト)」説もありましたが、これらの伝説をデザイナーである-ロブ・ジャノフ氏はきっぱり否定しました。
“がっかりさせると思うけど、リンゴにかじった部分をデザインに入れた理由は、みんながデザインを、チェリー(さくらんぼ)と見間違えないためだよ。それと、象徴的でしょ”とのことでした。
関連記事:『世界で最も価値あるブランドロゴApple』
Audi
「Audi」のブランドシンボル「フォーシルバーリングス」と呼ばれる4つの輪を組み合わせたエンブレムは、かつてのアウトウニオンのエンブレムに手を加えたもので、アウトウニオン設立に参加した4社の団結を象徴するものである。なお、左から順にアウディ、DKW、ホルヒ、ヴァンダラーを指すものとされています。
at&t
アメリカ合衆国最大手の電話会社であるat&tは2005年SBCコミュニケーションズにより買収されましたが、世界的に認知度の高かった旧AT&Tの地球マークを踏襲するかたちで、提供サービスの幅広さや奥深さ、地球規模での活動などのグローバル感と会社の透明性とビジョンを表現しています。
社名表示は、親しみやすさをもたせるため、小文字の「at&t」が採用されました。
「イノベーション」「完全性」「品質」「信頼性」「卓越したお客様サービス」という特質を象徴したものです。
BMW
Bayerische Motoren Werke AG(バイエリッシェ・モトーレン・ヴェルケ・アーゲー)の略称であるBMW。
意味はバイエルンエンジン製造工場で、前身となった「ラップエンジン工業」のロゴマーク(黒い円形の枠の中にチェスのナイトを配し外周に社名)をベースとしたものですが、中央の青と白の部分については複数の説が有り、今ひとつはっきりしないようです。
1つめは白で白い雲、水色で青空をイメージしており、クロスした十字で航空機のプロペラをイメージしたもの。。
2つめは本社を置くバイエルン州の州旗をイメージした水色と白のチェック模様をデザインしたもの。
Canon
1933年カメラの最初の試作機は「KWANON(カンノン)」と名づけられました。
この名前は、観音様の御慈悲にあやかり世界で最高のカメラを創る夢を実現したいとの願いを込めたもので、当時のマークには千手観音が描かれ、火焔をイメージしたKWANONの文字がデザインされていました。
1935年カメラの本格的な発売開始に向けて世界で通用するブランド名が必要になり「キヤノン」(Canon)という言葉を商標として登録。
「Canon」には、英語で「聖典」「規範」「標準」という意味があり、これは正確・精緻を旨とする精密機器としての商標にふさわしく、そして世界の標準、業界の規範を目指す私たちの志を表すものです。また「キヤノン」の発音が「観音=カンノン」と似ていたという点もあるようです。
最初の「Canon」のロゴは当時の社内広告宣伝担当者によりデザインされたもので、「C」の文字の先端が内側に折れ、シャープに尖っている独特な形は、当時からのデザインであり、また欧米の書体には無いスタイルとして設立当初から世界を視野に、グローバルな視点を持ち続けてきたキヤノンの独創性と進取の気性を表しています。
1956年、当初からの特徴を引き継ぎ、現在のキヤノンロゴが生まれました。
半世紀以上の間変わることなく使われているキャノンのロゴも最初は試行錯誤があったようですね。
Cocacola
1886年、ジョン・ペンバートン博士が画期的な清涼飲料を発明。博士のパートナーで経理を担当していたフランク・M・ロビンソンは「2つのCが広告で映えるに違いない」と考え「コカ・コーラ」と名づけた。そして試行錯誤の末、当時流行していた「スペンサリアン体」という書体をもとに生みだされたのが最初のロゴです。
1958年~1960年代には魚の尾のようなデザインの「フィッシュテール」と呼ばれるアーチ形のロゴが使用されていました。
1969年ついに「ダイナミック・リボン」が登場 し「アーデン・スクエア」と呼ばれるロゴがお披露目されました。赤い四角形の中におなじみの「コカ・コーラ」の文字が入り、その下に白い波模様が描かれています。「ダイナミック・リボン」の名前でも知られるこの波模様は、今日でも使われていますね。
また“The Happy Flag”プロジェクトと題して。国連の調査において「世界で最も幸せな国」に選ばれたデンマークで、コカ・コーラがブランドメッセージである“Happinessのシェア”を体現するユニークなプロモーションを実施していました。誰もが一度は目にしたことのあるコカ・コーラのロゴに、「デンマークの国旗が隠れている」という遊び心のある発見から企画されました。
Ford
フォードのオーバル型のトレードマークは1907年に導入されました。
「フォード」という文字はフォード社最初の主任技師C・ハロルド・ウィリスの書いたものとされています。
彼は1903年に自分の名刺に書いたフォードという文字をもとに、この書き文字を導入しました。
オーバルの背景の深い青色はパントーン249Cで、フィンランドの国旗と同じ色、オーバルは幅と高さの比率が8対3の完全な楕円形で、現在のセンティニアル・オーバルは2003年6月17日に創業100年を記念して使用開始されたました。
GAP
Gapは1969年設立で、その歴史の半分以上に相当する20年以上も現在のブランドロゴを使用し続けてきましたが、2010年ロゴデザインを変更後、元のロゴデザインに戻すという事件がありました。
1988年から使用したロゴデザインを突然、青い小さなブロックにGapの文字(書体はヘルベチカ)が重なったデザインに変わりました。
しかし、これはあまりに評判が悪く、わずか1週間で従来のロゴデザインに戻しています。
グーグル・ロゴのオリジナルは、会社として設立した1998年に創業者のひとりセルゲイ・ブリンが、無料のデザインソフトGIMPで作ったものです。
1999年にはロゴマークの商標登録のために、当時スタンフォード大学でデザイン学科の講師で、トランプカードでデザイン賞を受賞した経験があるRuth Kedarさんに依頼して、より洗練されたデザインに仕上げられています。
ロゴの”L”だけが緑色になっているのが特徴で「Googleのロゴは、色の三原色(青・赤・黄)で構成されているが、“L”の緑色は『Googleはルールにとらわれない』という経営哲学が込められている」と説明されています
また、複雑にしない事で「なんでもできる」というのを強調し、色の3原色で遊び心を追加しているよう。
HP
世界シェアでトップを走る世界最大のパソコンメーカー「ヒューレット・パッカード」の由来は、創業者二人のファミリーネームを組み合わせたものです。
IBM
グラフィックデザイナーのポール・ランド氏によるもの。
ロゴの色から「Big Blue」の愛称で呼ばれており、これに由来してIBMのプロジェクトには「ブルー」とつくものが多く広告などのイメージカラーになっています。
KFC
1955年頃、最初のフランチャイズ店であったピート・ハーマンの店で持ち帰り用の紙箱に印刷された線画のイラストが似顔絵の始まりです。
1998年〜「スマイリーカーネル」と呼ばれるロゴが登場。
エプロン姿でにっこり微笑むカーネル・サンダースの姿には、同社の理念である「ほんもののおいしさへのこだわり」が表現されているそうです。人の顔が描かれている、企業のロゴとしては珍しいタイプのロゴですね。
McDonalds
マクドナルドのロゴマークは「ゴールデンアーチ」とよばれる橋をイメージしたものです。
「M」のロゴはマクドナルドの「M」かと思いきや、そうではありません。
シカゴの第1号店には建物の両側の地面から屋根に向かって金色の大きな2本のアーチがあり、この2本のアーチを横から見ると「M」の字のように見えることから「M」のロゴは、この2本のアーチが原型となったのだそうです。
Mercedes
「メルセデス」は、命名された1899年当時、ダイムラー車のディーラーを経営していたオーストリア・ハンガリー帝国の領事、ユダヤ系ドイツ人エミール・イェリネック(Emil Jellinek )の娘の名前から採られました。
「ベンツ」は創業者のカール・ベンツに由来。ベンツのマークは、創業者のカール・ベンツがもともとヘリコプターのプロペラ製造をしていたことに由来します。
メルセデス・ベンツの車体に輝くエンブレムは、合併前のダイムラー社が使用していたスリーポインテッド・スターとベンツ社の円形月桂冠とを併せデザインされたもので、1909年に商標登録された三本の光芒はそれぞれ「陸・海・空」の各分野でダイムラーベンツ社の繁栄が込められています。
Microsoft
2012年ロゴのロゴタイプ部分で使われているのは、Windows 8 世代の新製品やマーケティング素材と同じ Segoe フォント。
左のシンボル部分は、Windowsの窓 (かつては旗) であり、カラーで「マイクロソフトの多様な製品ポートフォリオ」を表現するとされています。
社名ロゴにシンボルがつくのはマイクロソフトのロゴ史上初めて。
Nike
ひとめでNIKEと認識できてしまうこのロゴはスウッシュ (Swoosh) と呼ばれています。
勝利の女神ニーケーの彫像の翼をモチーフにデザインしたとされています。
また、「勢いよく動く」という意味で、その形状は躍動感やスピード感を表現されています。
関連記事:『世界中で愛されるNIKEのロゴ物語』
Pepsi
一般的に、この様な韓国の国旗にも見られるような勾玉を組み合わせた図柄を「太極図」と言うらしく、陽と陰、太陽と月、昼と夜というように、万物は相対するものが調和して統一されるということを意味しているそうです。
このペプシのマークには、名前があり『グローブ』と呼ばれていて、『世界』という意味だそうです。
ペプシコーラが人々に親しまれ、世界中に広まることを夢見てデザインされた、世界を意識したマークと言えます。
新しいロゴの制作にペプシはArnell Groupに、100万ドル(約1億円)支払い、制作期間は5ヵ月かけられました。(*うち1ヵ月間、制作者は日本を含めたアジアに、ロゴの構想を練る修行の旅に出かけたそうです。)
Shell
もともと貝細工製品を扱っていた会社だったそうです。
それだけでなく、開業は日本の横浜で、扱っていた貝殻は湘南で採集された貝殻だと言いますから、マークの貝は日本の湘南の貝がモデルだと言われています。
1901年の初代のロゴはムール貝でしたが、1904年からホタテ貝(または貝印)になり、企業とブランドネームに視覚的な要素を与えました。
また、競合他社よりもこれらの店舗を目立たせる必要性から、明るく、カリフォルニアの人々の気分を害さない赤と黄が選ばれました。
starbuccks
スターバックスのロゴの女性は「セイレン」(サイレン、seiren)という ギリシャ神話などに出てくる二つの尾をもつ人魚です。
テリー・ヘクラーが、16世紀の北欧の木版画から見つけてきて、商標にしたのがはじまりだそうです。
当初のロゴは、現在のようなデザイン化されたセイレンではなく、全身が描かれていたものでした。
しかし、胸をあらわにして二つの尾を左右に広げている人魚の姿が、 裸の女性が足を開いているように見えてよくないとの理由で、 1992年に現在の上半身と尾の先だけのセイレンに変わったのだそうです。
まとめ
時代とともに変わっていくロゴ、面白いですよね。だんだんよりシンプルになってきたように感じましたがいかがでしょうか?
初期の頃と全く違うロゴもあれば、その特徴を引き継いでいるものと様々ですね。
どのロゴも今ではロゴだけで、どんな業種でどの企業なのかわかるブロンド力のあるロゴとなっている点はすごいですよね。
ロゴが及ぼす力は小さいようで本当に大きいなと感じます。
引用文:Logo Evolution of 27 Famous Brands/by-ULYRALINK , ブランド・社名・ロゴマーク由来辞典