本日はあのポップアートの第一人者、アンディ・ウォーホルの商業的デザインへの考え方について書いてみたいと思います。
商業的デザインについてはデザインに携わる方は各々様々な考えがあるかと思います…。
デザイン表現というものは個人の側に立った表現でなく、生産・情報システムの側の必要が生む表現です。
生産・情報システムは、無機的、機械的に、ただ働きとして存在しています。
機械の生産物に人間的なニュアンスをつけ加え、機械と人間の間を埋めるのがデザイン表現と言えます。
デザイナーは個をシステムの意図に同調させ、報酬と引き替えに機械の意図に人間の記号を着せているのです。
ウォーホルは、商業美術は機械的だったか? と問われて、次のように答えています。
「そんなことはなかった。ぼくはそれでお金を貰っていたのだし、何でもいわれる通りにやったんだ。
靴を描けといわれれば、靴を描いたし、どこか直せと注文されたら、そのとおりに直した。
そうした「手直し」のあとでも商業美術としてのドゥローイングには、フィーリングがあった。そしてスタイルがあった。
ぼくを雇った人びとの仕事に向かう姿勢にもフィーリングとか、口ではいえない特別な気分が感じられた。
自分の欲しいものを正確に理解していて、どうしてもそれを創れといって譲らないんだ。
時には、生の感情をぶつけてくることもあった。
商業美術の作成過程というのは、かなり機械的なものだったけれども、
そこに携わる人間の姿勢には、何かしらフィーリングがあったと思うね。」
[What is Pop Art? ] ART NEWS ,1963 ,November ,Interview by Gene.R.Swenson
どういった形であれ、人間の手によって生まれたデザインには独自のフィーリングが宿ってしまうものなのかも知れませんね。
もちろん本物の思い入れが在るものに限りますが…。
アンディ・ウォーホル
アンディ・ウォーホルはアメリカの画家・版画家・芸術家でポップアートの旗手。
ウォーホールとも表記。銀髪のカツラをトレードマークとし、ロックバンドのプロデュースや映画作成なども手掛けたマルチ・アーティスト。
本名はアンドリュー・ウォーホラ。