NIKE(ナイキ)は世界最大のスポーツメーカーブランドとして誰もが知っているブランドですよね。
ひとめでNIKEと認識でてきてしまうあの有名なロゴマーク「Swoosh(スウッシュ)」
今回はそのNIKEのロゴがどうやって作られたのか?についてお話します。
まずはNIKEの歴史から
1968年にスタンフォード大学で経済学を学んでいた学生フィル・ナイトと、オレゴン大学の陸上コーチであったビル・バウワーマンが前身であるブルーリボンスポーツ(BRS)社を設立したのがはじまりです。 創業当初は、日本からオニツカタイガー(現在のアシックス)のランニングシューズを輸入し、アメリカ国内で販売していました。
1972年より高い利益を求め、オニツカタイガーの技術者引き抜きなどを行い、オニツカタイガーの競合社である福岡のアサヒコーポレーションでトレーニングシューズを生産、ナイキのブランド名で販売。
1979年に発売されたエアマックスがヒット商品となりトップブランドの仲間入りを果たしました。
NIKEがロゴを必要とした理由
1970年彼らはブランドとその顧客との関係を強化しより強固なものとする為、その象徴としてロゴを必要としていました。
ブルーリボンスポーツの経営トップは、(NIKEに正式になったのは70年代後半)動き、速さと信頼性を象徴する何かを望んでいました。その時点で、プーマの靴は側面に沿って走ったストライプが特色であり、アディダスは、その目を引く「アーチグリップ3ストライプ」のロゴで世界的な人気を得ていました。そのためNIKEの新しいロゴは、スタイリッシュで新鮮、オリジナリティがあり、ライバルメーカーのものとの差別化が図られた目立つロゴである必要がありました。
あの有名なロゴはこうして生まれた
1971年、NIKEの共同創業者であるフィル·ナイトが会計学の講師をしていたポートランド州立大学で、デザイン科を専攻していた女子大生のキャロライン・デビッドソンに、ロゴのデザインを依頼したそうです。
1週間以内に、彼女はいくつかのデザインを思い付きましたがナイトと彼のパートナーが満足することはなく、印刷の都合で急いでロゴを決める必要があったため「今はこれが最良のデザインとは思わないが、時間がたてば馴染むに違いない」と妥協の末に選択しました。その時選択されたのがスウッシュ (Swoosh) と言われる1971年に商標登録されたナイキのロゴマークです。
社名の由来が社員の一人ジェフ・ジョンソンが夢で見た、ギリシャ神話に登場する勝利の女神「ニケ (Nike)」からでありナイキは「ニケ」の英語読みからきたものだった事から勝利の女神ニケの翼をモチーフにデザインしたとされています。そしてこのロゴデザインに支払われた金額はたったの35ドル(約3700円)でした。
その後のちょっといいお話
デビッドソンのデザインしたスウッシュ (Swoosh) は「勢いよく動く」という意味で、その形状は躍動感やスピード感を表現しており、現在では世界的アイコンとされ、地球上のほとんどどこでも目にする事ができます。 デビッドソンはその後もナイキ初期の多くのツールのデザインを手がけることになり、デザイン制作が代理店に移った後の1983年ナイトから呼び出しを受けダイヤモンド入りの金のスウッシュリングとナイキ株を受け取ったそうです。(具体的な株数は不明)
まとめ
NIKEのロゴを決める時間にもっと余裕があったなら、この世界的なスポーツメーカーはもしかしたら今のようには存在していなかったのかもしれませんね。70年代のロゴは現代のようにシンプルなデザインは少なく複雑なものばかりだったので、創業者たちは物足りなさを感じていたのかもしれませんね。
それにしてもロゴのもつ力って本当に大きいですよね。 ちなみに文字が全くないデザインになったのは1995年テニスのウィンブルドン選手権大会で、アンドレ・アガシが優勝してからだそうです。海外で知名度・売上をのばすためには、文字や言葉を超えるロゴのみが適切だと判断し正式に文字をなくしてロゴデザインだけにしたようです。
文字がなくなった事によってますますシンプルにストレートにメッセージ性が伝わって来る感じがしますよね。その強いメッセージ性こそがNIKEのロゴが世界中に愛される要素であり世界最大のスポーツブランドへと発展させた所以なのかもしれません。あなたのロゴはメッセージを発信していますか?
引用元:The Story of the Nike Logo/by-LOGO DESIGN BLOG , Wikipedeia"ナイキ" , スニーカー文化論/著-川村由仁夜